月別アーカイブ: 2018年3月

奥伊勢PA(上り)とトラックと物流

奥伊勢PA(上り)の地理的特徴

 

奥伊勢PA上り(名古屋・伊勢方面)は三重県多気郡大台町の紀勢自動車道上にあるPA(パーキングエリア)です。

駐車場には大型9台、小型22台、障がい者用駐車場小型1台を駐車することができます。

トイレは男性用大3個、男性用小4個、女性用7個、障がい者用トイレは1個となっています。

奥伊勢PA(上り)の特徴について

 

世界遺産熊野古道伊勢路のそばにある山々に囲まれた、静かなパーキングエリアである奥伊勢PA上り。日本有数の多雨地域である大台ケ原にも近く、水のキレイな所としても有名です。奥伊勢PAにある店舗は、食事ができるスナックコーナーと、近所に内緒でこっそり作ることが名前の由来である『ないしょ餅』、全国の品評会で幾度も優秀な成績を修めている『大台茶』などのお土産が買えるショッピングコーナーがあります。

櫛田川の眺望と吊り橋が楽しめる、道の駅『茶倉駅』と『リバーサイド茶倉』

道の駅『茶倉駅』は、櫛田川沿いの小高い丘の上にあります。2階建ての1階にはレストランやお土産コーナーがあり、地元野菜などを販売。2階はカフェスペースになっており、コーヒーを飲みながら櫛田川の眺望を楽しめます。また、近くに展望台と歩行者専用の吊り橋があり、そちらは眺めとともに高所スリル感もたのしめるとか。吊り橋で櫛田川を渡ると、バーベキューが楽しめる複合宿泊施設『リバーサイド茶倉』があり、こちらではペンション、コテージ、バンガローなどを提供しています。桜や紅葉の時期に訪れると吊り橋との景色が楽しめる穴場だそうです。

トラックと物流

 

『当日配送』は本当に必要か?トラック運転手の過重労働を生む利便性の追求

 

注文した荷物がその日の内に届く…消費者にとって大変便利なサービスである当日配送。その当日配送を可能にしてきたのが物流業界です。しかし近年のインターネットショッピングの増加につれて、セールスドライバーの超過重労働が問題視されるようになりました。

なぜ当日配送が行われるようになったのか?

 

そもそもなぜ当日配送が行われるようになったのでしょうか?その背景には配送業者大手各社の、インターネットショッピング最大手であるamazonの荷物を引き受けたい、つまりamazonの奪い合いがあったようです。Amazonの荷物の量は膨大なので、荷物一つ当たりの単価を下げても運送業者に利益が生まれます。そのために価格競争が起きamazonの配送単価が下がっていき、それにつれてサービスも…というのが実情のようです。

人手不足に拍車をかける『当日配送』の過酷な実態

しかし過剰な価格競争にはいつか破綻がやってきます。運送業界大手各社といえども、個人宅の配達などは下請けの運送業者に任せています。そのしわ寄せは大手業者よりもむしろ下請けの運転手への負担になっていました。当日配送となれば当然荷物が届く時間帯は夕方~夜になります。ただでさえ配送業務が忙しい時間帯なのに、それに加えて当日配送の荷物まで加わり、現場の運転手は連日にわたる超過勤務に追われている、という声が現場からあがるようになりました。しかも低賃金で食事や休憩の時間もろくに取れない、との事。しかも2017年業界大手であるヤマト運輸の残業代未払いが明るみに出ました。これでは多くのセールスドライバーが辞めてしまうことにつながり、人手不足への悪の連鎖が止まりませんでした。

 

ついに大手各社がamazonから撤退、そのしわ寄せは…

佐川急便に続き、2017年ヤマト運輸もついにamazonからの撤退を表明しました。では膨大な数のamazon荷物はどこが運ぶのか?『ついに当日配送を止めるのか』と注目が集まりましたが、結局『デリバリープロパイダ』と呼ばれる運送業者数社に配送業務を委託するかたちをとったamazon。デリバリープロパイダで働く運転手の現場に超過重労働が移行しただけになってしまいました。『手取り12万で休みなし14時間勤務の労働環境』に嘆く現役運転手の告白などもありますし、デリバリープロパイダ移行してから配送ミスやトラブルが多くなったとの意見も聞かれます。

 

海外で導入され始めた『急がない便』、日本でもいずれ導入?

日本ではまだあまり知られていませんが、アメリカやイギリスのamazonなどではすでに当日配送や短期配送でなくてもよい荷物を『急がない便』としての配送形態を選択できるようになっています。

急がない便を選択するとポイントが付与されるそうで、これを選択する消費者も増えているそう。

日本ではまだ導入されていませんが、確かに『それほど急がなくていい荷物が早く届いてびっくりした』などの意見もSNSなどでよくみられるので、導入されれば現在の物流業界の人手不足や超過重労働が少しは軽減されていくのではないでしょうか。

なんにしても現状のままでは当日配送どころか物流自体も滞ってしまいかねないので、インターネットショッピング業界には大きな改革が迫られていると言えるでしょう。と、同時に利便性を追求しすぎた消費者の意識改革も必要と言えるのではないでしょうか。