トラックドライバーにとって、キャビン(運転席のあるエリア)は居住空間にあたります。
長時間運転するドライバーにとって、居心地のいいキャビン環境を作ることが、快適で安全な運転をするためにも大事な要件になります。
トラックのキャビンの種類
トラックはキャビンと荷室(荷台)で構成されるのが普通です。
トラックの頭の部分になるキャビンによって、ドライバーの居心地は大きく異なります。
トラックのキャビン(キャブ)は5つの種類に分けられますが、広さや形状に違いがあります。
・ショートキャブ
最も居住空間が小さい、就寝用スペースなし、小型〜大型トラックで採用
最も普及している標準キャブ、主に短〜中距離の引越/運送業務・宅急便集配向き。
・フルキャブ
運転席と助手席の背後に就寝用スペースあり、居住空間にゆとり、安全で快適
中型〜大型トラックで採用、主に中〜長距離の引越/運送業務向き。
・ワイドキャブ
キャビン幅が広い、居室空間が広い、小型〜大型トラックで採用
主に中〜長距離の引越/運送業務向き。
・ダブルキャブ
4ドアで後部座席があり5〜6名乗車可、大型キャビンで広い、主に小型トラックで採用
作業員移送や建築現場向き。
・ハイルーフキャブ
天井が高くて立ち上がり可能、就寝スペースが広い、居住スペースが最大で快適
大型トラックで採用、長距離の運送業務向き。
キャビン環境の重要性
運送業は日本の基幹産業ですが、女性や若年層の就業割合が低いうえ、シニア層の就業が多いと言われています。
運送業界の未来に向け、少しでも多くのドライバーを呼び込むための施策の一環として、キャビン整備の充実が課題として挙げられています。
実際、業界の深刻なドライバー不足に対応しようと、国土交通省が2019年4月に公益法人全日本トラック協会と共に、女性ドライバーを対象に聞き取りを実施しました。
キャビンについての要望も多く挙がっていて、収納性・使いやすさ・快適性などの面でキャビンの居住性能を向上させることが重要課題となりました。
トラックドライバーはキャビンで過ごす時間が長く、いろいろな用途を兼ね備える場所であるべきです。
単に運転する場所にとどまらず、ある時は事務室、食事をする場にもなり、また休憩室になったり、長距離ドライバーの仮眠室にも早変わりします。
生活の拠点とも言えるキャビン環境をもっと重視して、自分の家や部屋を大切にするのと同じように、少しでも心地よくなる工夫をしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
トラックドライバーが安全で快適に仕事ができるようにするには、キャビン環境の居心地のよさが果たす役割が大きいことがわかりました。
日常乗っているトラックを単純な道具と思わず、自分の部屋やインテリアと捉えて、大事な空間として扱いましょう。