年々物流量が右肩上がりのトラック業界では、一般車両の少なくなる夜間の時間帯に効率良くトラックを走らせる夜間走行が欠かせない手段です。
夜間に多くのトラックを見かけるのは、このような事情も一つの要因ですね。
効率だけで見れば夜間走行はベストですが、トラックドライバーにとって重要である「安全運転」の面では、日中の環境に比べて危険が伴っていることを忘れてはいけません。
今回は、夜間にトラックを走らせる際にどんなことを注意したら良いかのお話をしたいと思います。
夜間にトラックを安全走行するには?
安全を確保するためにも、どのようなことに注意したらよいのかポイントを3つご紹介します。
その1:「スピードを出し過ぎず、車間距離を取ること」
夜間の走行は、交通量が少なく渋滞のリスクも無いので、知らず知らずのうちにアクセルを踏み込みスピードを出してしまうことがあるでしょう。
夜間は特に視界が悪いので、スピードを落として走らないと事故のリスクが高まります。
他の車両の急ブレーキや車線変更に十分な対応ができるよう、車間距離をしっかりと保ち、速度を抑えて走るよう心がけましょう。
その2:「視界を広く保つこと」
夜間走行の前には、ミラーを調整して視界を妨げるものを取り除き、ヘッドライトがしっかりと作動するかも必ずチェックしてから出発しましょう。
夕暮れの時間帯には早めの点灯、夜間にはヘッドライトと使い分けて、視界を広く保てるようにしなくてはいけません。
その3:「天候や道路状況に対処すること」
天候の急変は予測できない場合も多くあるため、行き先を見据えて備えておくことが大事です。
路面状況に対応できるよう事前準備し、雨や霧などの悪天候の際は、スピードを落として十分に気を付けながら運転しましょう。
トラックの夜間走行は、「ヘッドライトの切り替え」が重要
ドライバーの視覚を保ち、的確な判断で道路状況を把握できるようにするためには、ヘッドライトの切り替えを上手に行うこともポイントになります。
ヘッドライトのロービームは前方40メートルまでを照らし、ハイビームなら前方100メートルまでを照らすことが可能です。
夜間走行で先が見えにくい時、ハイビームに切り替えて道路状況を把握してからロービームへ切り替えるなど、運転しながらヘッドライトの切り替えを効果的に行うことで夜間の視界を保ちましょう。
ただし、先行車両や対向車の視界を奪わないよう注意が必要です。
トラックドライバーを守る「休憩ポイント」
夜間の事故発生率は日中より低い傾向ですが、事故による死亡率は夜間のほうが高いことをご存じでしょうか。
そこで取り入れてほしいのが、運転をスタートしてから4時間が経過するまでに、30分以上の休憩ポイントを作ることです。
事故の発生原因のひとつには、「注意力の低下」が挙げられます。
荷物の積み込み作業で疲れた上に、夜間走行で意識的に視界を保たなくてはならない状態は疲労が蓄積しやすく、注意力も散漫になってしまいがちです。
もし一度に30分以上の休憩が取れない場合は、10分以上の休憩を数回に分けて取るなど工夫しましょう。
そして何より昼間にしっかりと睡眠を取り、体調を万全にして夜間走行に出発することがおすすめです。
まとめ
多くの荷物の運搬を担うトラックドライバーにおいて夜間走行は欠かせませんが、ご自身の安全を第一に考えてハンドルを握らなくてはなりません。
夜間に走行する際はこの記事で述べた3つのポイントに十分に注意して、適度に休憩を取ることも忘れず実行していきましょう。